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おやじ女子❤ 第一章 まさか生き返ったが花の女子小学生だなんて・・・

1

「ん、んー。」
朝日が差し、目が覚める少女。
「・・・。ここはどこだ?」
当たりをキョロキョロする少女。そして布団から出て部屋を出る。
ここはどこだ?なんか家の中のようだけど。そして来たるところは洗面所。ふと、自分の顔が
鏡に映った。
「・・・。」
「な、なんじゃこれー!!」
その叫びは家の外まで響いた。そう、彼女は実は天国でおしおきで小学生の女の子に取り憑い
てしまったおやじである。おやじはお酒の飲み過ぎで死に、天国でも飲んだくれたせいで神様
に小学生として過ごし、禁酒を余儀なくされたのだ。
「くっそー。あのアマ、マジでやりやがったな!」
おやじは見知らぬ少女の顔をしばらく見続けた。
「おいおい。これからこんな姿で過ごせってか?冗談じゃねえぜ。マジで小学生だし、酒も飲
めねえ。」
「聞こえますか。聞こえますか。」
突然神様の声が聞こえた。
「ど、どこだ!おれをこんな姿に変えやがって。元に戻しやがれ神様のバカヤロー!」
「あらあら。あまりわがまま言いますと赤ちゃんに憑かせますよ?」
「なにい?」
ぎゃーぎゃー騒ぐおやじに神様は蔑んだ声で言った。
「これからあなたがお酒を忘れられるまで一生その格好でいてもらいます。」
「はあっ!?い、一生?」
おやじは口と目を大きく開いて驚きの顔を見せる。
「そのために女子小学生にさせたんですからね。」
「まてまて!せめて、せめて男子にしてくれないかな?男子ならまだマシなんだけどよ。」
「実は女の子にした理由はこんな理由があります。」
「ど、どんなだ。」
神様は一息おいてからその理由を話す。
「そのくらいの歳の女の子は見た目とか、いろいろ意識しますからね。」
「なに?」
「だから。あなたが中身が男だとしても外見は女の子。なにかふしだらなことでもしたら、一
発で嫌われたりひどいことをされるのです。」
「はあ?じゃあなんだってんだよ?」
「あなたはこれからレディらしく、品のいい女性にならなくてはいけません!」
神様は最後に強く言った。正直筆者も男なのでよくわからないのだが、女の子というのは、年
頃は見た目がきれいだったり、愛想良かったり、勉強ができるそういう品のいい女性に憧れる
そうだ。そのため、がさつすぎたり気が強すぎる女の子は距離を置かれやすい。多分。
「まあこれはわかってはいると思いますが。子供なのでお酒は飲めませんよね。」
「ぐぬぬー。そこなんだよなあ。いつまで飲めないんだか。」
しょんぼりするおやじ。しかし見た目は女子小学生である。
「ご安心を。今日から一年間だけですから。その間に依存症もふしだらな性格も治せばいいん
ですから。」
「なげえよばか!」
「じゃ、わたくしはこの辺で。」
「おうけえれけえれ。ていうかどっから声だしてたんだよ?」
神様はずっと声だけだったのだ。
「あ、そうだ。あなたにこれを渡しましょう。」
突然おやじ(少女)の元に光が差した。
「うわ、な、なんだっ。まぶしい。」
ピカピカ光る光。そして光が消えると、おやじ(少女)の首に曲玉が下がっていた。
「な、なんだこれは?」
おやじは戸惑う。
「それはあなたの行動を監視するためのカメラのようなものです。これであなたがお酒を飲も
うとしたとき、なにかいけないことをしようとしたとき、確認ができます。」
「はんっ。見るだけじゃ意味ねえじゃんか。どうせなら酒を飲もうとしたときに電気ショック
でも起こさないと。」
そう言っておやじは台所に行き、冷蔵庫を開けた。
「へへーん。さーて、酒は。わわわわわっ!」
冷蔵庫をみてる最中おやじに電撃が走った。
「みたか。」
神様はおやじに一言。
「し、小学生にこれはまずくねえ~。」
コゲコゲになったおやじ(少女)は神様に一言。
「うう。あ、でも三秒で戻ったぞ。曲玉のおしおきのキズは三秒で消えるらしい。」
なら小学生でも安心だな。
「そういう問題じゃないだろ!」
あら、地文がセリフにつっこまれた。

「おはようあみ。」
「おはようあみ。今日はジャムパンよ。」
新聞を読む男と台所にいる女にあいさつをされた。
「・・・。誰だおめえら。」
おやじは言った。
「・・・。」
凝視する二人。
「き、今日は学校でなにかあるの?」
困惑してしゃべる女。
「学校?どこだよそこ。」
「ゆ、夕方のピアノのレッスンはパパが連れてってやろう。今日は臨時休業なんだ。」
「あ、そうか。今小学生だから、つーことは。」
「おめえらこいつの親だな。」
またまた凝視する父母。
「いつからそんな口聞くようになったの!」
ついに父母に怒られる。
「いつも乱暴な言い方はいけませんって言ってるでしょ?」
母が言う。
「はあ?別に伝わりゃなんでもいいだろ言い方なんて。」
おやじの反論。
「そんなふうにパパはお前を育てた覚えはないぞ?」
「そんなふうに育てられた覚えもないね。」
このくだらない言い訳が両親をいらつかせる。
「あーおれ甘いもん苦手なんだわ。つか朝は食欲ねえしいらんわ。」
おやじは席を立った。父母は驚いた。
ー自分の娘がこんなふしだらなはずがない!
そんなことを脳裏に思っていた。
「ところで。学校ってどこにあんの?教えてくれん?」
ランドセルは見つけたのに学校はわからないようだ。どうやらこの言葉でさらに二人を燃やし
たらしく。
「すぐ隣やろがあ!」
と、ブチ切れをされてしまった。一体おやじが憑く前はどんな少女だったのだろうか。

乞うご期待!
red18
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