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おやじ女子❤ 第一章 まさか生き返ったが花の女子小学生だなんて・・・

2

ここは小学校。取り憑いた少女の家の0.5km先にあるところである。かなり近い、うらやまし
い。筆者なんて20kmだったし。
ー学力上位、みんなにやさしくて気品がよくて、まるでお嬢様のようなしずおかあみちゃん。
私のライバル・・・。
「・・・。あみちゃん?」
拍子抜けた顔でしゃべるメガネっ娘。
「あ?」
空返事のあみ(おやじ)。
「なんで。なんで。なんで!」
三回同じことを感情を抑えるように言うメガネっ娘。
「優等生であるあんたが足机に投げ出して座っとんねーん!」
今あみは教室の机に足を置いてまるで不良みたいに座っていた。
「足置いちゃいかんか。」
あみが聞く。
「いけないわよ当然でしょ!」
メガネが言う。
「そういやこいつ熱海って書いてあみって読むんだな。静岡熱海かあ。変わった名前だなあ。」
「はあ?」
ノートの名前の欄を見ながら熱海(おやじ)が言った。それを見て首をかしげるメガネ。
改めて紹介する。おやじが取り憑いた少女の名は静岡熱海。熱海と書いてあみと呼ぶ。学年で
は大変頭がよいと有名で、あだ名にそのまま"あたみ"と呼ばれることもある。熱海市は温泉も
あるし海もあって観光地には最高の場所ですからね。
「みんな、おはよう。」
教室に入れば全員に聞こえるように笑顔であいさつをしていた熱海。
「うーんとうーんと。」
「わからないところがあるの?おしえてあげよっか。」
誰ふりかまわず勉強を教えてくれる。さらにピアノの腕も敏腕。幼少期から習っていたおかげ
か毎年コンサートでは金賞を受賞。学習発表会でも必ずピアノ係を任される。
「てな感じのこいつがどうしてこんなだらしない人になったー!」
なんて頭抱えてるメガネっ娘は自称熱海のライバル、大坂京子である。
「自称じゃないわ!通称よ。ライバルってことは公式なのよ。」
ライバルに公式も非公式もあるか。
「あんたとは私がこのクラスに転校してからのライバルだもの。転校する前は私が勉強でも人
柄でも一位になれると思ってたのに。」
拳をぎゅっと握る京子。
「あんたのせいで2位に落ちたわ!」
指を差してバッチリ論破してるようだが2位も一位もそんに変わらんくないか?
全く聞いてない様子の熱海。椅子シーソーしながらはなぢょうちん出して寝ている。愕然とす
る京子。そして内に秘めた感情を出す。
「もう!無視しないでよ。無視が一番人を傷つけるのよっ?」
「ああ?もう、なに?」
目を覚ますおやじ。そして大あくびをひとつ。だんだん恐ろしささえ湧いてきた京子であった。
「ねえねえ、京子の2位ってなんだろうね。熱海の一位はわかるけどさ。」
「ねっ。」
二人の女子がコソコソなにかをしゃべっている。京子はそれほど人気者ではないのだな。
red18
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